ページの本文へ

Hitachi

日立システムズ SHIELD Security Research Center

2014年1月20日初版公開

出版大手「KADOKAWA」のウェブサイト(http://www.kadokawa.co.jp)が、2014年1月7日0049 JSTから1月8日1307 JSTまで改ざんされていた可能性がある旨判明した。その間のアクセス数は、約1万であったという。1月8日1100 JST頃、改ざんを指摘するメールが外部の人からKADOKAWAに送信され、1130 JSTには委託しているサーバー管理会社が調査をスタートし、改ざんを確認した。1307 JSTに改ざんを修正し、1642 JSTにはセキュリティ対策が終了した。(脚注:1)

JavaやAdobe Flash Playerなどウェブサイトの5つの脆弱性をついて、Gongda悪用ツールがホストされている2つのオンラインバンキングサイトへ誘導し、オンラインバンキングのパスワードなどを窃取しようとしていた旨1月15日付のSymantecのブログで明らかにしている。そのうちの1つのサイトは、地方銀行のものであり、Symantecは、セキュリティ対策の弱い銀行を狙ったものと分析している。この時点で、Symantecのブログでは「日本のある大手出版社」としているだけで、KADOKAWAの名前は伏せられていた。(脚注:2)

しかし、1月16日2118 JSTに、NHK Newsが、改ざんされていたのはKADOKAWAのウェブサイトであった旨報道した後(脚注:3)、2300 JSTになってようやくKADOKAWAは「弊社ホームページ改ざんに関するお詫びとご報告」をオンライン上に発表した。1月16日現在、個人情報の流出は確認されていないという。(脚注:4) 但し、KADOKAWAのプレスリリースではマルウェアに感染した場合、具体的にどのような被害がもたらされる可能性があったかについて説明されていない。(脚注:5) KADOKAWAの広報によると、FTPパスワードの漏えいによる侵入ではなく、サーバーそのものへのサイバー攻撃が行われたという。(脚注:6)

KADOKAWA広報は、改ざんされてから発表までに9日間もかかったことに問題があったことを認めており、閲覧者の感染する危険性がある以上、「もっと早く警告すべきだったろう」と述べている。(脚注:7) サイバー攻撃を完全に防止することがますます難しくなっている以上、攻撃された後の対応策を向上させる必要が高まっている。

参考情報:

  1. 2014年1月17日付日経トレンディネット「角川のWebサイト改ざん事件で明らかになった”ハッカーの狙いは日本人”」
    http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140117/1054600/
    2014年1月17日付読売新聞(三上洋)「角川サイト改ざん、1週間公表せず」
    http://www.yomiuri.co.jp/net/security/goshinjyutsu/20140117-OYT8T00410.htm?cx_thumbnail=07&from=yolsp
  2. 2014年1月15日付Symantec Official Blog「日本の大手出版社のWebサイトがGongda悪用ツールキットに利用される」
    http://www.symantec.com/connect/ja/blogs/web-gongda
  3. 2014年1月16日付NHK News「角川HP改ざん 閲覧者感染のおそれ」
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140116/k10014544561000.html
  4. 2014年1月16日付KADOKAWA「弊社ホームページ改ざんに関するお詫びとご報告」
    http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20140116_security-kdkw.pdf
  5. 2014年1月17日付Yahoo! JAPANニュース(山本一郎)「KADOKAWAのサイト改ざん報道に感じた違和感は何なんでしょうか」
    http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20140117-00031714/
  6. 2014年1月17日付日経トレンディネット「角川のWebサイト改ざん事件で明らかになった”ハッカーの狙いは日本人”」
    http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140117/1054600/?P=2
  7. 2014年1月17日付日経トレンディネット「角川のWebサイト改ざん事件で明らかになった”ハッカーの狙いは日本人”」
    http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140117/1054600/?P=2


  • * 各会社名、団体名、商品名は各社、各団体の商品名称、または登録商標です。

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。