2013年10月23日初版公開
2013年10月21日、安倍首相も出席して「安全保障と防衛力に関する懇親会」(座長・北岡伸一国際大学長)の会合が首相官邸にて開かれ、外交・安全保障政策の中長期的な指針となる「国家安全保障戦略」の概要をまとめた。政府が初めて同戦略を作成するのは、縦割りになりがちな外交・防衛政策を統括し、政府全体の中長期的な指針を示すためである。同戦略は、外交・安全保障の最高位の指針となるため、12月に閣議決定される予定の新防衛大綱の上位文書と位置づけられる他、政府が年内設置を目指す日本版NSC(国家安全保障会議)の基本方針ともなる。政府は、10年以内に国家安全保障戦略を見直す考えだ。
本概要では、基本理念を「平和国家として積極的平和主義の立場から世界の平和と安定、繁栄の確保に寄与」とし、安倍首相の唱える「積極的平和主義」を強調している。F-35など装備品の国際共同開発を可能にすることで、防衛産業の技術水準の強化と装備品の調達コストの削減を図るため、「武器輸出三原則」の見直しが概要に明記された。また、安保上の課題として、サイバー脅威への対応強化を盛り込んだ。但し、集団的自衛権の行使については、別の有識者会議で議論が進められているため、今回の概要では触れられていない。
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