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日立システムズ SHIELD Security Research Center

2013年9月18日初版公開
2014年11月17日更新

2013年9月22日付の産経新聞の報道によると、12月に東京で開催される日・ASEAN特別首脳会議にて、日本とASEANがサイバー攻撃に利用されたコンピュータ端末の共同駆除に2014年度から乗り出す旨合意する方針であるという。日本政府は、ASEANと協力し、マルウェア感染したコンピュータやサーバーの調査・特定をした後、所有者とともに利用停止やマルウェアの削除などの措置をとり、被害の拡大防止を目指す。また、同会議では、サイバー共同演習の実施についても合意する見通しであるという。

最近、日・ASEAN間のサイバーセキュリティ協力が拡大している。2013年9月12日~13日に日・ASEANサイバーセキュリティ協力に関する閣僚政策会議が都内にて開催された。これは、日・ASEAN友好協力40周年を記念するもので、閣僚級のサイバーセキュリティ会議が日・ASEAN間で開かれるのは初めてである。

2013年9月13日に発表された共同閣僚声明では、安全・安心なビジネス環境及び情報通信ネットワークの構築に重きが置かれている。サイバー攻撃予知即応プロジェクト(PRACTICE)及び2012年6月に独立行政法人情報通信研究機構NICTが国内でサービスを開始した感染警告の2つからなる総合的なセキュリティ対策技術協力プロジェクト(JASPER)をASEAN加盟10カ国に広げる。PRACTICEのシステムは、現在、日本の総務省が民間企業に委託して開発を進めており、インドネシア、タイ及びマレーシアよりサイバー攻撃の観測データの提供を既に受けている。また、日・ASEAN間のCSIRT、研究者及びインターネットサービスプロバイダ(ISP)間の協力の促進も共同声明に盛り込まれ、技術的専門知識の交換を目指している。演習によるサイバーインシデントへの即応及び情報共有の促進も挙げられているが、具体的な演習方法については記載されていない。

2014年11月12日にミャンマーの首都ネピドーで開催された日ASEAN首脳会議で採択されたテロ及び国境を越える犯罪と闘う協力のための日ASEAN共同宣言では、サイバー犯罪対策への協力が盛り込まれた。日・ASEAN間でサイバー犯罪の傾向及び対策のための教訓に関する情報共有を促進するほか、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)、G8 24/7ネットワーク及びASEANAPOL・電子データベース・システム(e-ADS)といった既存の国際協力ルートの活用を通じた日・ASEANに関わるサイバー犯罪の調査と訴追において国際協力を強化するという。

参考情報:



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