2012年8月7日初版公開

偽造品の取引の防止に関する協定（ACTA）が7月31日に参議院外交防衛委員会で可決されたことを受け、アノニマスのツイートが活発化した。8月2日の午前8時54分、AnonCorpWatchが、「#OpJapan: Target acquired: http://t.co/Uxv0uhnb - Ministry of Foreign Affairs of Japan | #StopACTA #AnonCorpWatch #Anonymous via @an0nyc | http://twitter.com/AnonCorpWatch/statuses/230828770544738304」とツイートし、外務省が標的であることを示唆した。8月2日の早朝、AnonymousIRC（@AnonymousIRC）が、日本語で「緊急：参議院にてインターネット監視法案#ACTAがろくな議論も為されないまま7月31日に承認された。アノニマスは自由を弾圧する政府を決して見逃さず、許さない」とツイートした。また、午前3時過ぎには、Anonymous Operations（@Anon_Central）が野田佳彦首相の電話番号とメールアドレスを公開した。ツイッターで公開された電話番号は、首相官邸のものであり、メールアドレスは、野田首相のホームページ（http://www.nodayoshi.gr.jp/link/link.html）に掲載されている。

8月1日には、Anonymous ACTA Leaks (@ActaLeaksJapan)というツイッターアカウントが作成され、「Calling all #OpJapan supporters to target all Japanese government, corporate and global franchise sites for leaks #NoACTA（#OpJapanの支援者たち全員に、日本政府、日本企業、グローバル・フランチャイズ企業のサイトを標的にするよう呼びかける）」とツイートした。同日、AnonPasteにSQLの脆弱性をつくツールキットを投稿したURLをツイートし、さらに「All targets by any means necessary. Take off your white hat, we are way past nice.（あらゆる手段を使って全ての標的を狙うことが必要だ。正義の味方はやめよう。今まで甘くしすぎてきた）」と投稿している 。

8月2日、外務省のホームページが一時アクセス不能になったが、これがアノニマスの攻撃による影響なのか、それともメンテナンスによるものなのか、原因は不明である。ホームページに、メンテナンス情報は掲載されていない。

ACTAは、著作権侵害が疑われるウェブサイトの強制シャットダウンやインターネットサービスのプロバイダーへのネット監視義務付けが盛り込まれているため、インターネットの自由を脅かすとして、論議を呼んでいる。2011年10月にオーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、日本、ニュージーランド、米国、モロッコの8カ国が、2012年1月にはEUとEU加盟国のうち22カ国が署名した。同協定が発効するには、6カ国の批准が必要である。2012年7月4日には、欧州議会が478対39で批准を否決している。

参考情報:
Eric Pfanner, “European Parliament Rejects Anti-Piracy Treaty,” The New York Times, July 4, 2012,
http://www.nytimes.com/2012/07/05/technology/european-parliament-rejects-anti-piracy-treaty.html?_r=1
Charles Arthur, “Acta didn’t stand a chance in the age of the social internet,” The Guradian, July 5, 2012,
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2012/jul/05/acta-anti-counterfeiting-treaty
Los Angeles Times, “Mexico signs anti-piracy treaty, setting up battle with activists,” July 13, 2012,
http://latimesblogs.latimes.com/world_now/2012/07/mexico-acta-debate-activists-net-privacy-legal-senate.html