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日立システムズ SHIELD Security Research Center

2012年6月29日初版公開

アノニマスによる日本政府などへのサイバー攻撃示唆を受け、警視庁公安部とサイバー犯罪対策課は、6月28日、電子計算機損壊等業務妨害や不正アクセス禁止法違反などの容疑を視野に本格的な捜査に乗り出した。 障害が出たホームページの担当者らから被害状況を聴取しており、プロバイダーに通信記録の提出を求め、アノニマスとの関連を調べる方針である。

サイバーテロの捜査を担当する公安部と、不正アクセスやコンピューターウイルスなどを専門とするサイバー犯罪対策課が合同で捜査し、発信元の特定を急いでいる。 また、アノニマスのメンバーには海外在住者が多いとみられるため、公安部などは関係各国の当局との捜査共助も視野に入れている。

6月28日、アノニマスのメンバー「Knowledge Us」を名乗る男性が共同通信のスカイプ・インタビューに応じ、日本への攻撃は「まだ終わっていない」と述べ、サイバー攻撃の継続を示唆した。 日本以外でも、ネット検閲を進める国の政府は「攻撃対象だ」と語った。また、「私が知っている(次の)目標は言えない」とし、近いうちにネット上で公表されると語った。 次の攻撃は、「日本浄化作戦となるだろう」と述べ、「ウェブサイトを使用不能にするだけではない」とも警告し、日本への攻撃の激化を示唆した。

共同通信が「こうした攻撃は反社会的行為ではないか」と問いかけたのに対し、男性は、「罪のない傍観者の個人情報の公開を私は個人的には容認しないが、(著作権法改正などを)支持、 容認する者にわれわれはあらゆる手段を使い抗議を示すだろう」と答えた。

また、6月28日には、日本政府などを標的とした「オペレーション・ジャパン(対日本作戦)」のページを管理する9人の中の一人が、読売新聞のメールやチャットでのインタビューに応じた。 「攻撃は自分たちの行為」と認めた上で、「(違法ダウンロードを罰則化する)改正著作権法が修正されるまでハッキングを続ける」と述べている。 アノニマスが情報交換を行っているこの交流サイトで、9人は、一連の攻撃を指示したり、標的を決めたりする投稿をしている。

今回の攻撃のきっかけについては、「電子版の新聞で日本の著作権法が改正されたと知ったから」と説明しており、「数曲の音楽をダウンロードしただけで刑務所に入れられてしまう悪法。 これを修正するまで攻撃する」と主張したという。参加している人数については「200~300人」とした上で、「日本人も加わっているはずだ」と述べた。

6月29日午前9時ごろ、AnonymousIRCがツイッターで「Phase II of #OpJapan initiated(#OpJapanの第2段階が始動した)」と宣言している。標的は、明らかにしなかった。

参考情報:
2012年6月28日付産経新聞「ハッカー集団『アノニマス』、警視庁本格調査へ 政府機関など攻撃」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120628/crm12062820550022-n1.htm
2012年6月28日付西日本新聞「アノニマスを本格調査 警視庁、発信元の特定急ぐ」
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/310091
2012年6月29日付共同通信「日本へ『ハッカー攻撃続ける』 アノニマス、次の対象は近くネット上で公表」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120629/crm12062908090009-n1.htm
2012年6月29日付共同通信「アノニマス、日本へのハッカー攻撃続ける」
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20120629-974883.html
2012年6月29日付読売新聞「アノニマスメンバー『著作権法修正まで攻撃』」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120628-OYT1T01684.htm

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