ページの本文へ

Hitachi

日立システムズ SHIELD Security Research Center

2012年6月29日初版公開

英情報局保安部(MI5)のジョナサン・エバンズ長官は、6月25日にロンドン五輪について講演を行った。 長官は、「(ロンドン五輪が)テロの格好の標的になる可能性があり、攻撃を考えているテロ集団があっても不思議ではない」と警告した。しかし、安全対策は十分に行っていると強調した。

長官は、ロンドン五輪を契機に国家安全保障上の脅威について改めて考えたいと述べ、サイバーセキュリティ上の課題を挙げた。 国家が背後にいるサイバー諜報活動やサイバー組織犯罪は、「驚くべき」レベルにあるという。

国家が背後にいるサイバー攻撃の被害例として、8億ポンド(約990億円)の損失を出したロンドンのある企業を長官は挙げた。知的財産の喪失のみならず、契約上の交渉での損失額も換算した額だとのことである。

MI5は、サイバーセキュリティ対策上、政府・民間と協力している。主な協力官庁は、国家インフラ防護センター、政府通信本部は、ビジネス・イノベーション・職業技能省、エネルギー・気候変動省及び司法当局である。

経済・社会のインターネットへの依存が高まるにつれ、脆弱性も増大している。長官は、サイバー・テロリストが今後こうした脆弱性につけこむ可能性について警鐘を鳴らした。 「今のところ、既存のテロリスト集団がサイバー空間に与える脅威は、それほど大きくない。 しかし、サイバー上の脆弱性に付け込んで重要インフラに攻撃を仕掛けられる可能性があるということを、テロリスト集団は認識している。今後そういったことをやってのける能力を向上させていくだろう。」

参考情報:
Security Service MI5, “Address at the Lord Mayor’s Annual Defence and Security Lecture by the Director General of the Security Service, Jonathan Evans: The Olympics and Beyond,” June 25, 2012,
https://www.mi5.gov.uk/output/the-olympics-and-beyond.html
Nick Hopkins, “MI5 warns al-Qaeda regaining UK toehold after Arab spring,” The Guardian, June 25, 2012,
http://www.guardian.co.uk/uk/2012/jun/25/mi5-uk-terrorism-threat-warning?newsfeed=true
2012年6月28日付産経新聞「英MI5長官 ロンドン五輪『テロの標的』」、
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/europe/snk20120628101.html

  • * 各会社名、団体名、商品名は各社、各団体の商品名称、または登録商標です。

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。